さくチラうら

さくさんのチラシのうら

腐界に眠る王女のアバドーンがめっちゃ怖くて面白くて感情が忙しかった件

通称ホモドーンこと、サークルさくらぷりんさんの腐界に眠る王女のアバドーンをプレイして、現在CG回収しながら合計10周ほどクリアしました。非常に楽しめているので超絶今更ながら可能な限りネタバレを避け、感想メインの紹介とレビューのようなものでも書こうと思います。

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タイトル画面がすでに怖い

実は結構前に購入はしていたんですけど積んでたんですよね。
なぜかって?
そりゃあ怖いからさ(小声)

あ、このゲームは18歳未満の人はプレイしてはいけないゲームだから、よいこのみんなはこの記事の続きを読んだりリンクをクリックしてはだめだぞ。エロ、ホラー系、ゾンビ系グロ表現、虫、出血表現がダメな人も一応気を付けてね。

 

 

 

 ・サークルさん公式サイト 

www.sakuraprin.com

・DLsiteの作品ページ 

www.dlsite.com

(2020/8/16現在、50パーセントオフやん!こんな記事読んでないでとっとと買って!みんなホモドーンやろう!!)


ゲームについてはこの辺をチェックしていただければ。体験版もあるぞ。
すんげーざっくり説明すると、男女6人が主人公の父親に呼ばれたから古びた大きな館に来たはいいけど、父親おらんし怪奇現象が起こって脱出できなくなってしまった!しかも恐ろしい化け物いるしスプラッターなことも起きてるしどうしよう!メンバーも分断されちゃった!みんな恐怖!死ぬかもしれん!ってことで、震えながら何が起こるかわからない屋敷の中を探索し、その怪奇現象や名状しがたい化け物から逃げ延び脱出する手がかりを探っていく、ドット絵で描かれたレトロ風RPGです。

分かる人はわかると思いますが、ファミコンの名作“スウィートホーム”をオマージュしたホラーエロゲですね。自分はスウィートホーム大好きなんで、そこが購入の決め手だったりしてます。
スウィートホームについてよく知らない人は、Wikipediaにゲームシステムとかがわかりやすく簡潔にまとめてあるから読んでみて。名作だから!ネットのプレイ動画とかも見てみて!

このゲームは親が持っていて小さいころにプレイしてたんですけど、雰囲気、BGM、グラフィック、すべてが怖くて夜トイレ行けなくなったくらいですからね!まじで!
でも怖い以上に面白いからやりたくなってしまう。でも怖い!だから学校が休みの日の明るい時間にやってたのが懐かしいね。

と、前置きが長くなってしまいましたが、アバドーンの話。いくつかの観点に分けてこのゲームの魅力を書いていきます。

まずゲームシステム的なところから。オリジナリティがいっぱいあってスウィートホームとは似て非なる新しいゲームだよ!
公式サイトの説明書や「System」のところに載っている通りですが、ざっくり説明しておきますね。(ってこの説明書、(ヘッダーの「SP」→「取扱説明書」をクリック)今やほぼ消えた紙の説明書っぽくて実に味があるんだぁ…!そして名前ェ…!)

パーティーは主人公入れて3人1組。なので、ステータスが異なりそれぞれの固有アイテムを持っている5人のキャラクターの中から2人を選んで館を探索することになります。
このメンバー選びで結構難易度が変わるんだよなー。好みのキャラを選ぶか、クリアに徹するメンバーにするか迷いどころ。自分は初見プレイの時にみあ・りかなを選んで苦労したもんだ…。特にみあは意外とくすりばこ使わなかった上に、苦手属性多くてはっきょうしやすいのがなぁ…。
女の子に囲まれたいからといって自分に素直になりすぎると苦労するぞ!!その苦労もまた楽しいんだけど。
そして、これはRPGなのですが、大きな屋敷に閉じ込められているので当然武器・防具屋も道具屋も宿屋もありません。屋敷の中に落ちているものだけでやりくりします。
すなわち回復道具も限られてきます。セーブポイントで回復もできますが、これも回数が限られています(一応レベルアップで全快するんですが、狙ってやるには慣れが必要ですかね)。

あ、回復回復言ってますが、HPの数値が決められているわけではなく“きょうふち”というゲージがあり、苦手属性の敵との遭遇や敵の攻撃によってそれが徐々に上昇(あとは特定のイベントでも)。8割くらいのところまで来ると“はっきょう”状態になり、戦闘時に火事場のクソ力的な感じの高ダメージのクリティカルを出したり、とんでもない攻撃を繰り出して一撃で敵を倒したりします。

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キャラクターの顔グラも表情豊か(いろんな意味で)

で、きょうふちゲージの下のハートマークがいわば残機といった感じ。戦闘中にきょうふちがマックスになってしまうと気絶。ハートが残っていれば戦闘後に意識を取り戻します。ハートがなくなってしまうと死亡してしまいます。
なので、上のスクショではみあがハート残り2つでまだセーフ…といいたいところだけど、ハートが残り一つの状態になると“じぼうじき”状態になってしまうのです。
こうなると状態異常にはならないのですが、文字通り自暴自棄になってしまって、「もうどうでもいい自分はどうせ死ぬんだ」的なネガティブな発言ばかりするようになったり、パーティーから離脱するなど特定のイベントが起きたり、逆に普通だったら起きるイベントも起きなくなったりします(この辺の作りこみのすごさは後述)。

勿論、プレイヤーキャラたちは人間なので死んだらそれっきりです。復活なんてできません。世界樹の葉フェニックスの尾もありません。敵にやられて死亡するだけじゃなくて探索中にとった行動の結果で仲間が死亡することがあります。この緊張感!!
あ、死んだはずなのに死にきれなくて亡霊になって顔グチャグチャになって主人公たちの前に現れることはあったな。ワハハ。

こうやって、極限状態の登場人物たちが怯えて狂っていってしまう様子がまたこちらの恐怖感を煽ってくるんですよねぇ。この描写が非常によくできていて、若干漏らしながらプレイしてますよ、ええ。

そして、持ち歩けるアイテムは武器含めて3つまで。
武器持って、回復持って、探索に必要そうなアイテム持って…ってやってるとすぐに道具欄がいっぱいに。
落ちてるアイテムも拾えない…。でも回復アイテムを預けておいたら不安…。かといってこのアイテムがないと先に進めなさそう…。っていうところが非常に悩ましい。屋敷の中の恐怖感と戦いながら、道具のやりくりを強いられるのが難しくも楽しいです。

あと、恐怖要素といえばハイドアンドシークですね。
屋敷を探索していく中、大変おぞましい敵が主人公の前に現れ、追いかけてきます。それをマップ上で鬼ごっこをしつつ逃げて、柱とかテーブルとかの身を隠せる場所を探してやりすごすことになります。
この時、マップのカラーリングやウィンドウフレームや文字が真っ赤になって視界も狭くなるのがBGMと相まってものすごーーーくビビります。これが慣れるまで非常ーーーに心臓に悪い。マップをただ先に進むだけではなく、引き返して逃げ延びないといけないというのが物凄く最悪なアクセントになってます(ほめてる)
それにマップオブジェクトに判定があるものが多いから、焦って移動すると引っかかったりしちゃうから慣れないと結構難しい。
まぁ、つかまったら一発アウトっていうわけじゃなくて通常のエンカウントのように遭遇時のきょうふちダメージ、相手にターンが回れば攻撃してくる、という感じなだけなのでもう一度逃げればいいだけなんですがね。
ただし…殺されてしまうと…

次に視覚的な点。
やっぱり8bit風のドットで描かれてるっていうのがいいですね。 細部が表現されない分、非常に想像力を掻き立てられる恐怖感を味わえます。しかもその荒いドットでも何が描かれているのかがわかる丁寧さもすごい。

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配色の妙もあり、荒れた部屋とぶちまけられている血もまた怖いのだ。

例えば、洞窟の中で見つけた赤い色の塊、その上にちょこちょこ動く黄色い線。そのドットで描かれたオブジェクトを調べるとテキストが表示されて、これが何かしらの生き物の血と肉片に湧いた蛆虫っていうのがわかり、脳内で勝手にその様子を思い浮かべてしまう。それに恐怖するキャラクター達を見て一緒に怖くなる…このおかげで直接的にグロくなりすぎない怖さを味わうことができるんですよね。更に、こうやって怖さを引き立てつつ、逆に最新のグラフィックのリアルで生々しいのが苦手な人に対するフィルターにもなっています。
また、恐怖要素だけじゃなく、落ちている武器やアイテムのドット絵を見て、これはどんなアイテムなんだろう?どんな形をしてるんだろう?どうやって戦うんだろう?といった想像をするのもワクワクしちゃう。これこそがレトロ感の演出だけにとどまらないドット絵の持つ力だよね。
あ、でも敵キャラはそれなりにグロいけどね!戦闘画面ではインパクトの強い敵がウネウネ、グニョグニョ動くよ!
特にラストエリアのマップ、ラスボスのグラフィックの禍々しさは必見です。ものすごい描き込まれています。最高に絶望的で芸術的なほど醜悪です。すごかった。

そして、公式ページでも売りにしていますが、イベントCGは高解像度のフルカラーイラストとファミコン風の8bitのドット絵の切り替えができます!全部(多分)のイベントにフルカラー版CGとドット版CG、両方とも用意されてるってこったあ!!
よくもまあ…こんなにも…手間のかかることを…してくださって…(感涙)

フルカラーモードでCGが出るイベントを起こした場合、テキストもツクールXPのデフォの漢字も使われるフォントになって、最近のゲームみたいな感じになります。もちろん、イベントさえ起こして(CGを見て)しまえば、ギャラリーモードでフルカラーも8bitも両方のCG鑑賞とシーン再生ができます。
ゲーム攻略中はお好きな方でプレイして、あとでギャラリーモードで切り替えてじっくり鑑賞したり、周回するごとに切り替えたりっていう遊びもいいですね。
ちなみに、自分は初プレイの時はフルカラー版にしました。
せっかくならゲーム本編の雰囲気に合わせて8bit版にしようかとも思ったんですが、この8bit風で描かれたゲームをやっていて、いきなり美麗なフルカラーCGがドン!って出てくるインパクトを味わうっていうのもなかなか楽しかったですよ。

そうそう、バージョンアップもされていたようで、CGの枚数が半端ないです。170枚以上って!!確か1周プレイしただけだと10パーセントかそこらしか埋まらなかったからね!
ゲームシステム的にもインターフェース的にも探索的にもストレスが少なく周回する意欲が出てくる作りなので、このCG回収作業もビクビクしながら楽しく進めていけます。ただ、全回収は気が遠くなるね!!

 

それはそうと…

 

 

ドット絵のエロCGってさ…

 

 

 

いいよな。

 

はい。

 

次に感じた大きな魅力は、ホラー作品としてのプレイヤーに恐怖を与える作りの丁寧さです。
(自分は基本的にホラーゲーム苦手で、あんまりその系統のゲームをやったことない上での感想ということをご了承ください。)

なんといいますか、シンプルに怖いです。
古びた屋敷。散乱する骨や血肉。恐怖感を煽るBGM。突然起こる怪奇現象。襲ってくるグロテスクな異形のモノたち。
しかもそれがRPGということで、よくあるホラーアクションゲームとはまた違った味わいがあります。アクションの操作のウデは問われず、脳みそ使って先に進むだけですからね。
ホラーゲームでアクション部分が難しくて先に進めるまで何度も繰り返した結果、怖さよりも難しさとめんどくささが勝って、最終的に嫌になってしまったことがあったから…。
そう考えるとやっぱりホラーとRPGって相性いい。そしてバイオハザードの元にもなったと言われるスウィートホームは神。

何が起こるかわからない、何が襲ってくるのか分からない恐怖。
ゲーム性として高めの難易度で仲間や道具が消耗していく恐怖。
こうやってプレイヤーを「いつ出てくるか、この先でどうかなってしまうのではないか」という気持ちにさせて精神力にチクチクとダメージを与えてきて、それが最初から最後まで続きます。

それと、テキストも秀逸。
RPGという文字情報が中心になるゲームジャンルだし、ドット絵で描かれているからグラフィックで説明・描写が追い付かない中で、テキストが良い仕事するんですよ。

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相当えげつないことしてますよこれ(ドン引き)

モノの描写が的確で、恐怖と狂気の表現が絶妙というか。センスがあるってこういうことかと。
キャラクターのセリフ回しと会話も個性が出てるのにしつこくなくて軽快だし、イベントテキストや戦闘テキストも冗長にならず説明不足にもならず、しっかりこちらに読ませてくる文章です。ほぼ全て平仮名なのですが、読みやすい文章です。

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アイテムの説明が「不気味な表紙の古い本」で終わらないところがミソ。

個人的に好きなのは拾ったアイテムを“しらべる”ことができて、一個一個に説明が用意されてるところですね。主人公であり語り部の焔によるどういうアイテムかという説明と、焔本人が受けたアイテムに対する印象まで説明されているのでゲームの中への没入感がマシマシになります。

…さっき、グロくなりすぎない怖さって言いましたけど、思わずウエエッってなるテキストがでてくるシーンもあるっちゃありますよ。まぁそれは君の目で確かめてね♡

そうそう、自分はよく知らないんですが、クトゥルフ神話要素もふんだんにあるようです。クトゥルフ系のTRPGとか好きな方にも受けるのでは?
自分が知ってるのは邪聖剣ネクロマンサーニャル子さんくらいだからなぁ。いあいあ。(大幅な偏り)
そういえば…yogsothoth.txtは許さねーぞ。おい。聞いてるか作者。最大級にビビったぞ。本気でケツが横に割れるレベルでビビったかんな。ふざけんな。

また、腐界に眠る王女のアバドーンにおける恐怖感を煽ってくる要素の一つがキャラクターの魅力。
キャラクターの魅力っていうと楽しさの方に繋がるはずなんだけど…キャラクターを攻略するゲームでありホラーゲームだからね。この仲間たちがいるから(生き残っていればだけど)一人だけで冒険をする心細さはないのですが、逆に行動を共にするメンバーと、行動を共にできなくなったメンバーがいるせいで、余計気が抜けないというか。

後述しますが、館の中で起きるイベントは、こちらをビックリさせるためのものではなく、キャラクターの個性が見える楽しいものもあるんですよ。ほのぼの系CGとか、会話で選択肢選ぶやつみたいな小さいやつ。その反応を見て未亜は癒しだなぁ~とか、八千花はいちいち手厳しいけどカワイイとこあるなーとか、里奏は相変わらず何考えてるかわかんねーけど不意にデレて面白いなーとか、恐怖の館の中での清涼剤として楽しめるようになってます。

…楽しめるんだけど、こうやってキャラクターに愛着が湧いた頃、その愛着が湧いたキャラクター達が凄惨な目に遭って恐怖して狂っていくことの怖さと恐ろしさたるやね。モブやぽっと出の名前付きNPCがやられるのとは訳が違います。

そうなんです。
仲間がいるが故の怖さです。
仲間の誰にも死んで欲しくないがための怖さ、仲間と特別な関係になったからこその怖さ。
仲間を失ってしまったことによる怖さ、仲間が狂ってしまったことによる怖さ。

そして、このゲームは主人公以外のキャラ同士もくっつくことがあります。男同士、女同士でもくっつきます。いちゃこらするだけでなく、いがみ合ったりします。血なまぐさいことも起きます。凌辱もしてしまいます。NTRもあります、これも男女問わず。
プレイヤーだけでなく、キャラクター達も感情が大忙しなのです。

BL要素もあることから冗談でホモドーンホモドーン言われてるし自分も言ってしまっていますが、単純に無条件に男同士でべたべたするわけではないですよ。この気が狂ってしまいそうな極限状態で仲間と手を取り合い、誰かを大切にしたいと想うことと、逆に自暴自棄になって自分の意志の赴くままに誰かをめちゃくちゃにしてやりたいという感情には男性も女性も関係ないってことですね。
ホラーでよくある「一番怖いのは幽霊や化け物ではなく人間」というやつ。描きようによっては陳腐な要素になるんですが、このゲームはまさしくそれを良い方向に体現しているなーと。人間であるキャラクターたちが怖いものに立ち向かって、恐怖にのまれるのか、恐怖を乗り越えられるか…。その果てを見ることができます。

正直、この作品の存在を知った時にエロ要素、ましてやBL要素があるとかナンセンスだろとか思ってました。けど、18禁のおかげで全年齢向けゲームでは表現できないものがたくさん詰まっているということを実感しました。


と、未プレイの方が置いてけぼりになりそうなのでこの辺で。

そうそう、先ほどの視覚的要素のところで書き忘れてしまいましたが、仲間が死亡した時のグラフィックもなかなかショッキングです。イラストのクオリティの高さと、さっきまで一緒にいた仲間が死んでしまった無念さと心細さが結構精神的にきます。

それと死亡原因にもよりますが、マップ上に血まみれになって倒れてる仲間がオブジェクトとして残ります。死体を調べることで持っていた道具を取り出せたりします。…うん。スウィートホームと同じですね。

先にもちょろっと書いたけど、BGMも非常に良いです。怖い雰囲気を作り上げてくれてます。
ほんっっと、このゲームのBGMはどれもこれも印象に残りますね。いやこれ、マジで印象に残るというより耳にこびりついてくるんですよ。褒め言葉ですよ。
PCを落とし、部屋を静かにして電気を消して目を閉じるとゲームのグラフィックが浮かび、BGMが流れてくるくらい。重症。
ゲームに夢中になって夜更かし、しかも脳内で音楽流れて寝付けずに寝不足で大変だったぜェ…。
個人的に地下の暗いところとかで流れるボボボボボポポポポポポポって曲、最初聞いた時からずーっとすごく苦手(伝われ)

 

そして…このゲームをプレイしてて一番感動したところ。

それはゲームとしての“作りこみ”!

まず、何が一番びっくりしたかって、先述の通りRPGツクールXPで作られてるんですよこれ。拡張性があるのは知ってるけど、ここまでのものが作れるとは…
まぁ自分もいくつかツクールは所持してるもののそんなに使いこなせてないからアレですが…でも触ったことある方はわかると思いますが、もはや謎の技術ですよ。何をどういじくったらあんなシステムのゲームが作れるのか意味が分からないくらいです。

それとゲームバランス。
初見時では結構高めな難易度。だけど救済措置もあってクリアできないことはない。周回時にはストレス少なくサクサクイベント回収できる。もっと慣れてくると低レベルクリアやスピードクリアも狙って何度も遊べる。この辺のゲームバランスが最高なんですよね。

で、なによりもスゴイと思ったのが小さなイベントの豊富さ!!
これをネタバレしないように説明するのが難しいから実際にプレイしてもらって感じてほしいんですが、とにかく細かいイベントが多い!!すごく多い!!テキスト量も半端ない!!!!!
ホラーゲームとしてのビックリイベントも、キャラゲーとしてのキャラクターの個性が見えるイベントも!!

自分があらかたプレイし終えたと思ったところで、やり込んでいる方のプレイ動画やブログ記事を見てこんなことが起きるのか!?と驚いたものです。

いやー、この面白さが一番伝えたい要素でもあるんだけど、これをあんまり書きすぎるとネタバレになってしまうからね…君の目で確かめてくれ!!!ホモドーンをやろう!!!!!

具体的に例を挙げると「○○をしておいて□□と△△を××すると**のイベントが起きる」的な感じ。いまだに新しい発見があります。いまだにビビらせてくれます。そこが凄いんですよね。
例えば、後戻りができないシーンで必要なアイテムを持つ仲間をわざと死亡させたり、相当無理して意図的に狙わないと作り出せない状況、つまり詰みの状態を作って、他のツクールゲーだったら進行不能になってしまうような意地悪をしても専用のミニイベント・ゲームオーバーイベントが起きたりするんですよ。怖い物見たさでいろいろ試すと面白い(怖い)。
マルチエンディングもすごい量です。バッドエンディングもこちらを絶望させるだけでなく、ストーリーの理解につながるようなすごく上手な作りです。
いわずもがなストーリー、シナリオも最高です。同人レベルとは考えられないほどです。
伏線を張る、伏線を回収する、後々になってアレが伏線だったのかと思い出させる、伏線どうしが重なって推理できる。伏線を残して考察の余地が生まれる。このバランスも絶妙でした。

もっと細かい要素でいうと…真っ暗で明かりが必要になる場所が多くあるんですが、明かりを点けずにマップを歩いて敵とエンカウントすると、背景グラフィックが表示されないとかね!こういう細かいこだわりめっちゃすき。

ゲームとしての作りの緻密さから、作者の方の作品に対する熱心さと愛がものすごく強く感じられます。こういうゲームはプレイしていてとても気持ちがいいですね。たまにさくらぷりんさんのTwitterを覗くんですが、いまだにアバドーン関連のイラストを描いて投稿してくださっています。
本当に、生みの親に恵まれたいい作品なんだなあって。

あ、今まで触れてこなかったけど最後にエロ要素について。
まぁノーマルなものもあればマニアックなものまで、NLからGLもBLも。ホントに様々なのでそこは好みかなーと。その辺はサンプルCGで判断してね。あ、BLモードのエロシーンに関しては自分はその趣向がなくて判断できないのでノーコメントで。むしろBL好き姉貴様(と兄貴様)方に感想ききたいね。
そこそこの時間をかけてゲームを攻略して特定のイベントを起こさないとエロシーンは見られないので、ゲームはどうでもいいからエロシーンだけ見たいという人にはおすすめできません。あくまでもゲームの中の延長の要素だからね。
ただ、ノーマルなシーンだけでもイラストのクオリティ高いしテキストいいし、ノンケ男性的には十分実用性はあると思うぞ。

以上、レビューとか紹介とか言いつつ、ただのアバドーン大好きおじさんの長話でした!!!!

自分がこの作品をプレイし始めたのが確か5月下旬くらい。6月にはクリアしててキャラクターを変えたりしてゲームを楽しみながら、CG回収やイベント回収をしつつ、「よし、これ面白いから感想をブログで書こう!」と意気込んだのが同月中旬。
最終的にこの駄文をひり出すのに2か月かかりました。遅筆ってレベルじゃねーぞ

未クリアの方がうっかり見てしまってもネタバレにならないようなレビューを、かつクリアした方には理解していただけるような感想を、そして作品を知らなかった人には興味を持ってもらえるような紹介を…って考えてたら何を書こうか迷っちゃってね。
書きたいことがありすぎてなぁ。これでも大分削った方なんだ…ヘタクソな文章ですが、少しでも魅力伝わっていれば幸いです。

まぁ一言で言うと、怖くてやりごたえあるからプレイしてみて!ってこったあ!
なるべく攻略サイトとかを頼らずに、恐怖して困って絶望してもらいたい!初見プレイできるのは一度だけだからね!

ホモドーン、オモロイドーン!それだけだ!

 

以下余談。

Twitterでホモドーンこえーでもおもしれーって書きまくってたら買ってくれたフォロワーさんがいて、いろいろとアドバイスを求められたので、自分なりの攻略メモみたいなのも別記事で書こうかなーと考えてます。
自分も結構困ること多かったしね。ホラー好きだけどゲーム苦手、イラスト好きだけどゲーム苦手って人向けの手助けになればと!

※2020/10/11追記 書き申した。

saku-tn.hatenablog.com

 

余談その2。

DLsite見た方はわかると思いますが、関連商品にハーレムドーン -中に!中に!-という作品があります。

www.dlsite.com

こちら、ゲーム本編に含まれてる焔君が“女キャラ3人にモテモテになる女ハーレムルート”と、“男キャラ2人にモテモテになる男ハーレムルート”があるんですが、そのシーンのCG+おまけCG集ですね。画像データだからゲーム本編買ってなくても楽しめるぞ。

で、このCG集のおまけにゲーム本編のセーブデータが3つ付いてて、すぐ女ハーレムエンドを迎えられるデータ、すぐ男ハーレムエンドを迎えられるデータ、そして全員レベル5からスタート&アイテムボックスに回復アイテムがいくつか入っていて、それなりに楽になるデータがあります。難易度が高いと感じた人はこれ買ってプレイしてみるのもありかもしれないです。超お買い得な100円だし!
(2020/8/16現在、セールで55円とかいう駄菓子レベルの破格だからとりあえず買っとけ!!!!!!)

あ、ハーレムルートのセーブデータで遊ぶとエンディングネタバレしてしまうから、一度クリアしてからにしようね!

 

いちばんどうでもいい余談その3。

冗談で書いて、作者様に捕捉されてリツイートされて微妙に伸びたツイート

 

 

高橋名人のブログ

今や多くのタレントさんやスポーツ選手などなど、有名人の多くがやってるTwitter
Twitterが流行るずーっと前、記憶に残ってる感じでは20年近く前にブログブームがありましたね。それでブログというものが浸透してき始めた流れからかどうかは曖昧だけど、徐々に有名人の方が自ら情報を発信する手段としてブログを使い始めて更に広まったのかな、って思ったのを覚えてます。
今ふと思い出したけど、もう「ブログの女王眞鍋かをり」っていうワードとか完全に忘れられてる感あるよね。自分で言ってて懐かしいわ。

そしてある意味眞鍋かをりさんよりもりももっとブログが話題になった人といえばしょこたんよね!しょこたん語とかも流行ったものね!
1日に何十回と投稿して…いや、下手したら1日に更新100回超えてた日もよくあったと思う。
ブログってそこそこの長文を投稿するものっていうイメージがあったけど、しょこたんの場合はひとつの記事に写真1枚とひとことふたことで終わりだったんですよね。だからこそ平気で100回以上更新できてたりするわけなんだけど。
でもそれってインターネット上で日記とかの文章を書くっていうブログのイメージから離れてて、当時としては新しくて、今考えるとすごくTwitter的な使い方だったなーと思った。
ブログの内容も食べたものの写真やプレイしてるゲーム、他のタレントさんと一緒に撮った写真にはじまり、飼い猫の顔を口で咥えてる写真、セミの抜け殻集めてる写真、その集めた抜け殻を服とか髪の毛とかに付けてる写真…。控えめに言って頭おかしいんじゃないかこの人は!って思ってたね!頭おかしいんじゃないかと思いながらしょっちゅう読んでたね!ハマってたね!

こんな感じで使われていたブログだけど、今はもっと気軽に投稿できるTwitterだけを開設してるという方も多いです。ってかもともとブログやってた人がTwitterやり始めてブログの方を更新しなくなるとか。
そもそも見る方もラクだもんね。タイムラインがある意味RSSリーダーだし。

 

そういう流行り廃りもあって、自分もブログを読む機会がどんどん減っているんですが、今でも昔から読み続けてる著名人のブログがありまして。

それが誰かというと、高橋名人です。
そうです。あの16連射の、あのハドソンの高橋名人です。

名人、ほぼ毎日ブログを更新していらっしゃって、めっちゃマメだなーと。
内容としてはゲーム関連のお仕事の話と昼ご飯の写真。よく旨そうなもん食ってるんだこれがまた。

で、中でも自分が楽しみにしてるのが昔のハドソンのゲームの開発当時のこぼれ話が聞けることです。
今はハドソンを退社されてしまったけど、今もゲーム関連の仕事をしてらっしゃるということもあって、ブログの話題に昔のゲームのことが挙がることも多く、記事を読んでると「実は開発当時はこんな話があって…」とか「実はこういうことで上ともめて…」みたいなあんまり出回ってない、というか誰も知り得ない情報が知れるんですよね。逆にネットで独り歩きしてしまってるガセネタをきっぱり否定してくれることもあったり。こいう家庭用ゲーム機黎明期からの開発に携わってる方の話なんてなかなか聞けないからね。
それと、確か去年くらいからPCエンジン(知らない若い人のために説明しておくと、ハドソンとNECが共同で作ったハードで、ファミコンの数年後に出たやつ)のソフトを1日1作品ピックアップして、どんなゲームかの説明と感想、そして開発時の話なんかを書いてくださってます。これが非常に面白い!
有名どころでいうと、『桃電』でおなじみの桃太郎電鉄の元になってるRPG桃太郎伝説とかかな。これに関しては名人が直接関わってないそうですが。
あ、みんな大好き邪聖剣ネクロマンサーの記事もあるでよ!!!!!!

先述の通り名人は2011年にハドソンを退社されてしまったけど、逆にハドソン以外の最近のゲームのことについての感想とか、ハドソン社員時代には発信しにくかった他メーカーのゲームをプレイしたときの昔の思い出話なんかもたまに書かれてるのが面白いんだよね。

レトロゲームが好きな方は高橋名人のブログをちらっと覗いてみてはいかがかしら。名人の文章は読みやすくて良いよ。すき。逆にガンガン改行しまくってるような記事すきじゃない。

Twitterの投稿でもいいんだけど、やっぱり文字数制限がなくて情報をたくさん載せられるし、その人の独特の文章の感じの個性(伝われ)が見えるからブログも結構楽しいよね。

 

かくいう自分も最近文章を書くっていう機会が減って脳みその退化に拍車がかかってるからね。自分で書いた記事が読みにくくてしゃーない。どげんかせんといかん。

三十路手前の男が「男の方のアイマス」に沼った話

皆さんお元気ですか。新年度始まりましたが、Pの方は3rdライブ静岡の円盤楽しんでますか。大丈夫ですか。2日目で内田雄馬さんが時を止めましたが、そのシーン再生しまくってタイムパラドックス起こしてませんか。大丈夫ですか。もう4月ですよ。

まぁ何の話かというと記事タイトルの通りなのですが。
この前315プロダクションのプロデューサーのフォロワーさんとお話をしてまして。
よく挙がるのが「アンタいつの間にそんなにアイマスにハマってたの!?よりにもよって男の方?なんでSideMに?」という話題。

一番最初にアイドルマスターSideMに触れるきっかけになったのは2017年の年末くらいだったかな。友達にアスランPの女性がおりまして。その子にアニメのS.E.M回を見せてもらって、あのダンスを見て何かと度肝を抜かれて興味を持ったことです。AAAAAAA。

細かい話の流れは覚えてないけど、元の話題は「俺がここ数年刀剣乱舞にハマってるから男性声優さんの方に興味がー」みたいな話をしてたんだったかな?
それならってことで刀剣乱舞では刀剣男士の堀川国広を演じてる榎木淳弥さんがいる(そしてダンスがアレな)ユニットのS.E.Mを教えてくれたんだっけ?曖昧だけど。

最初はダンスが特徴的で面白いってこと、そして詳しく聞くと割といい年齢の元高校教師3人のアイドルユニットっていうところで興味深さが増してネタのつもりでStudy Equal Magic!を覚えてカラオケで歌ったりしてました。

次に、大きな転機となったのは2018年の春。その子に3rdライブの幕張2日目のライブビューイングに(半分アッシー君(死語)(平成すら終わる)として)誘ってもらったのです。
話が前後してしまいますが、先述のS.E.Mのダンスを見せてもらった時点でのアイマスSideMに対する認識は「男のアイマスがあるんだっけ?なんか昔(いろんな意味で)界隈を騒がせたJupiterとか、りっちゃんの弟の女装アイドルが男のアイドルとして出てきてるんだっけ?」程度です。間違ってますね。一応作品としては最初のアイマスだけはちょこっと知ってたくらい。765プロのね。
ついでに言うと、自分は歌手の方とか声優の方のライブってライブビューイング含めて行ったことないんですよね。フェスだとかラジオの公開録音とかトークイベントとかはあるんですけど。正直、ああいう場に行くと他のファンが気になってしまうのと、曲聞くだけならCDでいいしー行くのと帰るのがめんどくさいしーお金かかるしーみたいな感じの感覚だったんですよ。
それでもその時の自分は何故か二つ返事で「行ってみる!」と答えました。ライビュって触れたことない文化だったし、会場も車で行けてそう遠くないし、ものは試しだと思ってね。あと暇だったし。

誘っていただいたタイミングが確かライブまで2週間もないくらいの時期だったので、試聴で気になった数曲の予習をしただけのほぼパンツ一丁みたいな状態で、来る2018年2月4日、歴戦のP様方の言葉を借りれば、“アイマスSideMを浴びて”きました。

はい。

グッと引き込まれました。魅せられました。見えてしまった。輝きの向こう側へ行く彼らが。

その日を境に自分の中で何かがはじけ、気づけばiTunesで曲を買いまくるようになって、通勤の時に音楽プレーヤーで聴く曲がSideMづくしに。もうこの時点で完全に声優さんたちとアイドルたちのファンですね。ちゃりんちゃりん。ホリエルのほくそ笑む顔が見えるわ。ちくしょう。くやしい。

人知れず徐々に染まっていき、貸してもらった2ndライブのブルーレイを擦り切れるほど観て、その誘ってくれた子と3rdライブツアー最終公演の静岡2日目も一緒に行く予定だったのですが、なんかこう抑えられない何かが湧き出てきて一人で静岡1日目のライビュに行くようになり。その後はアニメも一気見してFive-St@r Party!!にもライビュにて参加。

そして、2019年の3月のプロデューサーミーティング3日目のライビュ。愛知県みよし市。MOVIX三好のシアター11。29歳独身会社員。
去年のようにすみっこの席で大人しく座って「俺は声優さんたちのパフォーマンス見たいだけだし、立ち上がってコンサートライト振ったり、コールしたりするつもりは別にないかな」などと語っていたかつての姿はなく、Beitのエコバッグをひっさげて会場へ向かい、前もってカラーの設定をしたミックスペンラProを振り、立ち上がってコールするSideMおじさんと化した男の姿があったのです。

 

自分でも不思議です。何が自分をそこまでにさせたのか。逆に自分にそこまでさせてしまうアイドルマスターSideMとはそもそも一体何なのか。魅力は何なのか。ちょっと冷静になって考え直してみたのです。

まぁ長くなってしまったので僕の身の上話はこの辺にしておくとして、自分がアイマスSideMの世界のどこに魅力を感じたのかをつらつら書いていこうと思います。
(ここから自分語りと謎の語り成分がウザいくらい含まれてますので、「あ、コイツだめだわキモいわ無理だわ」って思ったらそっとこの記事から離れてください。こんな記事読まずに円盤観よう。)

 

まずは315プロのアイドル(キャラクター)達について。
スマホゲームの方は全然進んでないので、主にアニメ、ワケミニアニメとかの印象になるのでご了承ください。)

 

 ・キャラがキラッキラしすぎてなくてとっつきやすい
自分が勝手に抱いている男性アイドル物の作品のキャラクターのビジュアルって、色とりどりの髪色。どうやってセットしたの?っていうような髪型。やけに大人っぽい雰囲気。でも未成年。顔もシュッとしてて。立ち上がればアイドルというよりモデルのように細くて足長い。かつ脱げば筋肉質。ド派手な衣装も着こなして…っていう感じだったんです。僕はそういうのも好きなんですがね、戦闘力高そうで(?)
しかしこの作品、ライブの衣装はもちろん派手なのもあるんですが、よく目につくのは白衣やらコンビニの制服やらブレザーやらラーメン屋のTシャツやら。あとは微妙なセンスの普段着…普通の人かよ!!みたいなね。まぁ実際アイドルになる前はほとんどみんな普通の人なんだけど。
…そうなんです。男キャラたちに大げさなキラキラ感がない。もちろんかっこいいんだけど、割と普通な見た目のキャラが多い。はっきり言って地味っていうのが最初の印象でした。こういういかにも女性向け!っていう雰囲気もないからこそとっつきやすかったのかもしれないです。

 

・理由(ワケ)があるこそのキャラの芯と人間味が見えやすい
さっきの話の続きになりますが、普段の姿からアイドルとなった彼らの姿を見たり歌を聴いたりしつつ、過去について知ることで抱えてる理由(ワケ)を理解できる。それもあって内面からカッコよく見える。理由あってキラキラできなかった人たちがキラキラしていく過程が見える。

アニメで自分が好きなシーンの一つに、最初はネタとして見てたS.E.M回のものがあります。予備校のイベントのライブだっけ?(間違ってたらすみません)で曲を披露するわけだけど、まず3人がそれぞれ一人ずつ受験生にメッセージ送りますよね?そしてあの振り付けも、アルミホイルと揶揄される衣装も、教師として学生たちを導くのではなくアイドルになって学生を導くためなんですよね。いい歳の大人たちがあんなギラギラの衣装着て一生懸命歌って踊る。それを見せて興味を引いて面白がられて、でも元教師という経験を生かしてしっかり言葉や歌で学生たちを楽しませて応援してメッセージを伝えて、導く。
元教師だからこそ伝えられるものがある。元教師だからこそ伝えるメッセージが重くなる。聞く人に響かせられる。
ゲームのキャッチコピーの「理由(ワケ)あって、アイドル!」。まさしくそうですね。特に硲さんは教師という立場で生徒を導くことにちょっと限界感じていた節もありましたよね。S.E.Mに限らずですが、その理由アリだからこそアイドルとして頑張る、頑張れる。
理由を抱えているからこそ皆がそれぞれ持つ魅力があり、それが増していって魅かれてしまう。そう感じました。

で、もちろんS.E.Mのライブシーンも好きなんですけど、実はもっと好きなのはその後。そのライブ、確かドラスタの3人、Beitの3人、ハイジョの5人と北斗が見に来てましたよね?
帰り道でライブがすごくて感動で泣いてしまった“高校生の”隼人。その後に大人(心は10代)の輝も、うおー!ランニング315周だー!とか言ってたけど、あの2人は先生という人を導く立場だった人のステージを見て、同じ事務所のアイドルとしてだけじゃなく、ひとりの人間として言葉・パフォーマンス・頑張りに触発された部分もあったんじゃないかとか深読みしてみたり。そういう感情がでてきて、みんなの前でそれを表に出すっていうのすごく人間味があっていいなーと。

で、一方同じ事務所の仲間たちにも大きな影響を与えた当の本人らは、エンディングの映像にてスーパーで買い出しして次郎さん家に集まって缶ビールで乾杯して、その後3人とも潰れて寝てるっていうことが確認されましたね。
ええ、思いました。お前ら普通の人かよ!!と。
そこもまた魅力的な人間味なんです。そうです、普通の人なんです。そこが好きなんです。

 

・キャラクター、ユニット同士の大人な関係
いやらしい意味ではなくてね?大人(子供もいるけど)特有の近すぎず遠すぎず、みたいな関係性です。
自分が印象的だったのは、この作品のセンターユニットであるDRAMATIC STARSの3人。「え、一応主人公的ポジのキャラがいるユニットなのに互いを苗字で呼ぶの?」っていう感想が出てきました。まぁそこは薫の性格の部分もあるだろうけど。
さっきのビジュアルの件といいこっちも偏見に近いイメージですが、だいたいこういうキャラ達って互いを下の名前で呼び合ったり、いつの間にそんなに仲良くなってたの?みたいなキャラ同士の仲良し描写がされるもんだと予想してたんですよ。それがいい意味で裏切られまして。苗字で呼び合うってなんかリアル感ありますよね。
同じユニットとか違うユニットとか関係なしに年齢が近い人同士で普通にタメ口でしゃべってたり、年上の人相手には敬語でちょっと敬う部分もあるし。でも上下関係みたいなのは感じさせない。
そしてアイドルとしての彼らは、相手のユニットに関してはあんまり干渉する感じもなく、かといって繋がりが希薄というわけでもなく…っていうキャラたちの距離感が非常に心地いいです。そして牙崎漣とそれを連れてきたプロデューサーはいろんな意味で天才。

個人的に輝と冬馬の「天道さん!」「冬馬!」みたいな関係は結構好きです。
年齢は輝が上だけどアイドルとしては冬馬が先輩。でも先輩の冬馬は自分に対して奢らずに同じ事務所のアイドルとして目線は合わせて、かつ年上相手だから一定の敬意を払ってる…んだけど、時たま張り合ったりする。なんかこう男子同士って感じがして良いと思います。

ちょっとアレな話ですが、発表当初、SideMは一部の人からホモマスなんていう呼ばれ方してたの覚えてますけど、逆にそういう要素がほっとんどない気がしました。

 

・自分と近い年齢、そしてちょっとだけ似た境遇
タイトルにある通り自分は現在30歳直前でして。平成の最初に生まれて、平成が終わってから三十路迎えるという。
まずびっくりしたのはアニメ見始めた当時、主人公が自分と同い年の28歳ということです(あとヒゲも)。年齢高いなーと思ったら、輝だけが高いのではなく、30代も数人いるし、自分と同年代としてくくってもよさそうな20代後半のアイドルも多かったのも衝撃です。
自分は作品に対して結構感情移入する方なのですが、二次元の話とはいえ年齢が近いほうが感情移入しやすいんですよねやっぱり。

更に奇しくもアイマスSideMに触れた頃、自分はいろいろあって前の仕事を辞めて、役所で契約職員として働きながら転職活動していたのです。315プロの彼らほど大きな理由を抱えているっていうこともないので似てる境遇なんて言うのはおこがましいのですがね。
結果、自分はなんとか就職できたわけですが、前職とはまったく関係のない新しい仕事に就いています。そういうこともあり余計にシンパシーを勝手に感じていました。

 

次に、中の人たち関連でSideMの好きなところ。

・声優さんたちのポテンシャル
これ言うと怒られるかもしれませんが、声優さんの生歌って全然期待してなかったんです。ごくたまに歌番組とかライブ、フェスの中継とか見ると、会場だとか音響の問題もあってかポテンシャルを出せておらず、歌を聞いてると「ん?」ってなることがよくあったんです。さっき書いたライブとかにそんなに行きたいと思ってなかった理由の一つでもあります。
なのですが、これがまた結構うまいんだ。アニメや曲で聴いてる声で、それをCD音源そのまま歌ってくれてるような。
この人たち、ほとんどが本職が声優でナレーションやったり吹き替えとかゲームとかアニメとかで登場人物に声当てたりするのが本職でしょ!?なのになんでこんな歌って踊れるの!?と驚いたものです。

ダンスに関してはアイドルのライブというものをあまり見ないので自分は上手いか下手かはよくわからないのですが、少なくとも下手だなとは1ミリも思わなかったですね。普通に上手いほうなんじゃないかなと。
それに見ているとマネしたくなるキャッチーな振りが結構あって好きですよ。アニメで見てたダンスをそのまんまやってくれてたりして嬉しいですよね。

あとは驚きの声量でキャラのセリフ叫んだり、ステージ走り回ったり、Pたちをあおったり、歌って踊ってる最中にカメラが来たらウインクしたり手振ったりファンサービスもして…そのポテンシャルの高さに驚かされました。

 

・キャラクターとの融合、キャラクターを宿す力
この作品に限らずですが、アイドルの役を演じている声優さんがステージに立って、声優ではなくそのアイドルとしてパフォーマンスをするっていうのがどんなものなのかよくわからないままでのライビュ参戦でしたが、実際に見てみて「ああ、そういう感じなんだ」とすごく納得してしまいました。アニメ見てキャラについて知ってさらに納得。

当然キャラクターの声優なので声は同じなのですが、我々は三次元の人間ですから二次元のキャラクターにはなれないです。でも髪型とか身に着けるもので寄せてくれてますよね。でも違うんです。そこの意味で納得したんじゃないと思うんです。
声優さんたちが自分が演じているアイドルとして振舞ってくれてるんです。宿してくれてるんです。315プロのアイドルが頑張ってるのと同じように全力で頑張ってくれてるんです。その気持ちでパフォーマンスを見せてくれる。ステージに立っているみんなが。手を取り合ってとても楽しそうに。それが見えたからこその納得。

いわゆる2.5次元のミュージカルとか舞台で、メイクも衣装も立ち居振る舞いも完璧な役者さんたちがいっぱいいますよね。その時よく「二次元から出てきた」って表現しますよね。
でもこれはまた別のベクトルだと思うんです。あのアイドルたちは二次元から出てきたというより、この「ライブが始まる前まではただのイベント会場、映画館」という三次元の空間を、限りなく二次元に近い空間に創り変えて、見ている我々をそこに引き込んでくれているんだなと思いました。だからこそ、「アイドル」ではなく「アイドルしてる声優」が歌っていることで初心者でもスッとその空間に馴染めたのだな、と。
これがガッチガチにキャラに寄せられていて、既に二次元の空間が出来上がってしまっていたらその空間に入れずに理解が追い付かなくてここまでハマれなかったような気がします。

そして、これはアイマス作品全部だと思いますが、我々をちゃんとファンではなくプロデューサーととらえ、アイドルとして頑張っている・成長している姿を見せてくれて声をかけてくれているんだなと強く感じています。初めてライブ見たときの納得した理由のひとつだったのでしょう。

  

・同性だからこそ尊敬してしまう
正直、自分の中でこれが一番大きいと思う。キャラだけじゃなくて声優さんたちも自分と同年代の方たちも多いんですよね。皆こんなことできるのか、スッゲーな…と、同じ男だからこそ自分が小さく見えてしまうくらい。そして同性だからこそ、憧れてしまいました。こんな歌うまくて、演技できて、ダンスできて、輝けるかっけー人間になりたかったなーなんて(もちろん相当な努力あってこそのカッコよさってのはわかってますよ)。

それと、男性としてかわいい女の子のアイドルが歌って踊っているのを見て楽しんで応援したい!っていう気持ちはありますよ。ただ、自分の場合やや雑念が絡むんですよね。やっぱり異性なのでね。そういう雑念が絡む"好き"は結構飽きが早く来るんですよね。そして「次は何してくれるんだろう」という楽しみから「次はこれをやってほしい、これはやめてほしい」っていう要求をしてしまうようになりがちなんですよね。

やっぱりそういう気持ち抜きで純粋に応援できるのが楽しいです。自分は同性に恋をするタイプでもないので、単純にカッコいい!!って思えますから。

 

これが中の人たちを見て感じたことです。 

 

最後に、ライブを観たおじさんが抱いた315に間違った感想と沼った理由。

初ライビュ参戦時の話に戻ります。
アンコールからの曲披露、声優さんたちの最後の挨拶が終わり、映画館の照明がつき、

アイマス最高!!」。

時間が過ぎるのがあっという間でした。


先ほどにもあったように、最初の感想は

「凄かった!!超楽しかった!!」

でした。素直な感想です。

 

しかし、次に出てきた感想。

 

 

「俺もアイドルになりたい」

 

 

何を言っておるのかと。わかってます。自分でもわかってますよ。間違ってる感想だと。ごめんなさいホント。
我々の見えないところで過酷であろうレッスン、リハを繰り返し、ステージの上で全力でパフォーマンスをする。それによって大勢の観客たちが魅了されて大いに沸き立つ。みんなを笑顔にさせる。夢中にさせる。
ホントにかっこいいな。さぞかし大変だろうけど楽しいだろうな…俺もそんなふうになりたいな…と勘違いを起こさせたのです。

さながら、Jupiterのライブを観た弁護士の天道輝さんのような気持ち。

わたくしなんぞ、歌も歌えず踊りも踊れなけりゃ特技もない、小太りで目つきも悪く、爽やかさのかけらもないオッサンなのです。ええ、最近は頭頂部の防衛力もやや勢いを落とし、おでこの方は左右の生え際がわたくし自身の前進に追い付いてこれなくなりそうな予兆さえあります。つらい。
そう、ステージに立って輝いていた彼らとは真逆の存在なのです。
そんな自分さえも照らしてくれたから影響されたのでしょうね…

それでも、そんな自分でもPの友達やフォロワーさんが仲良くしてくれる。ライビュ会場に行けば隣の席のPさんが声をかけてくれたりする。
ライブが始まってしまえばみんなステージに夢中。帰り道は感想を語り合うのに夢中。家に帰ってきてTwitterで感想や振り返りがどんどん流れてくるのを見るのに夢中。次の日も曲聞いたり円盤観ればまた夢中になれる。結局ここまで書いてきたややこしいこと、理屈っぽいことが全部吹っ飛ぶ。プライベートでアレコレあったことも全部吹っ飛ぶ。

 

思いました。ああ、そうか。夢中にさせられることに理由はいらないんだな。

理由あってアイドルやってるアイドルをプロデュースして、その様々な思いを秘めてものすごく頑張ってくれてるアイドルたちが自分たちを楽しませてくれる。逆にPたちが何かしら抱える理由を全部吹っ飛ばしてくれるから楽しくなれるんだな。

 これが沼った、いや夢中になった理由だというのが自分の中での結論です。

ここまで駄文にお付き合いいただいてありがとうございます。
この約8000字のクソレポート、せっかく読んでいただいたのに結局2行でまとまりましたね。すみません。
同意しかねる部分も多かったと思いますが、一応僕個人の話ということで。

要は楽しいのです。アイドル、Pがみんないて、みんなで楽しめるんです。結局それだけです。ちょっと話は脱線するけど、声優さんたちの殺傷力抜群のファンサとか、SideMからの重大発表とか増元さんの一挙手一投足とかで奇声を上げて死んでいくPさんたちいっぱいいますけど、僕はそれ大好きですよ。大いに感情をむき出しにしちゃっていいと思う。ホントに。

というわけで、3rdの幕張と静岡のブルーレイ買ったけど、ほかの会場のも観たくなってきて財布と相談してるへっぽこPでした。

 

 

あ、あと、ホントに最後に。

 

雑念はないと言ったな。

 

すまん。嘘だ。

 

 

ピエールとお風呂入りたい。

FGOのエイプリルフールネタのゲームの"新鮮さ"

4月だね。

いつ頃からこうなったかはわかんないけど、最近は個人レベルで嘘をついて仲間内で遊ぶにとどまらず、いろんな企業のウェブサイトだとかで割と本気のエイプリルフールネタを仕込んでますよね。

その中でも、結構Twitterで話題に上がってたのはスマートフォン用ゲームのFate/Grand Orderが放ったFGOエスト。
ゲームがエイプリルフールにゲームをリリース・・・なんてことだ。

自分はFGOはインストールしてあるのですが、いわゆるログイン勢というやつでまともにストーリーも進めていない人間です。
あと夜遅かったし結局遊べずじまいだったのですが・・・なにやらものすごく“ドラクエ”してたとか。

細かい仕様についてはわかりませんが、フィールドを進みながら敵を倒しレベルを上げお金をため、武器や重要なアイテムを集めながらシナリオも進め、ラスボスを倒す・・・みたいな流れと聞きました。

Twitterをチラっと見てみたら「ドラクエみたい」(というかめっちゃドラクエネタ仕込まれてたらしいっすね)「懐かしい」なんていう声を見受けたのできっとそんな感じなのでしょう。みなさんがアップするスクショを見たらドットで描かれたキャラが旅をして、コマンドを選択して敵と戦ってるのが見え、なんかこう昔ながらって感じのゲームでいいなーちょっと興味をひかれました。

 

そんな中、学生のフォロワーさんが抱いた感想。

 

「新鮮」と。

 

アラサー以上の年代の人間からするとレトロゲーにありがちな「昔ながら」なんだけど、今やそれが新鮮なのです。

そりゃそうだ、今の時代に自分が生まれる何年も何年も前に発売された古のゲームなんて知らないもん…。

あと、今のスマホRPGってシナリオを選択してストーリー進めるの多いですもんね。
だから、歩き回って町の中で人から情報聞いたり、敵の現れるフィールドを命がけで進んで、敵を倒して、時には逃げて、HPやMP、手持ちの回復アイテムに気を配りながら、金欠に陥らないようにして次の街や進むべきダンジョンを目指して、宝箱があったらわくわくしながら開けて、新しい仲間が増えて、逆に増えたと思ったらゲームのジャケットにも写ってる主人公の親友が永久に離脱したり、「ベルゲンドへ行け」「どこ?」「東」っていうアバウトな情報で航海して遭難したり、アリが出てくるからとりあえず巣穴埋めて解決したり、翌日に「昨日の続きから遊ぶぞー!」スイッチカチッ 「(ゴーン テーテーテー)大魔戦・・・」「アアアアセーブ消えたアアアア」ってならないものね・・・

 

そして、ゲームをやっていく上で欲しくなるのが攻略情報なのですが、もちろん日付変わっていきなり爆誕したゲームなもんですから、攻略サイトなんざありません。

頼れるのは自分だけ。ゲームと自分との勝負。

だけど今はSNSの時代。周りが同じゲームをやってる人がいるっていうのがすぐわかる時代。そして感想だけでなく、「○○で○○が手に入った!」「○○をやったら○○ができた!」という断片的な攻略情報がどんどん流れます。

それを見て、インターネットなんぞ使いこなせない小学生の頃に新発売のゲームを親に買ってもらって、喜んでプレイして、学校へ行って友達と感想を言い合ったり、どこまで進んだかを自慢しあったり、お互いに攻略情報を交換し合ったり、後から発売された攻略本をかじりつくように読んでたのを思い出しました。

そういうやりとりを見ていてちょっとやりたくなったし、それが羨ましかったですもん。

なんか、販促ってこういうことかな、なんて。

ぶっちゃけ、製作者側からの「あの名作がスマホゲーに!」「豪華声優!」「今なら石が○個もらえる!」っていうのは正直そんなに響かないし、ついでに「欲しいキャラが出た!」「爆死した!」っていうプレイヤー側の感想聞いても「そのゲーム俺もやりてー!」ってならないです。

自分の力でゲームを進めて、躓いて、自分で頑張ってしてもっと進めて、でも助けをもらいながら情報を共有して、それを自分の力にして・・・っていうサイクルを楽しそうにしているプレイヤーの姿を見るのが一番惹かれます。

 

現在はシェアをかなり伸ばしているらしいスマートフォンRPG。人気でいうとおそらくトップクラスであり、最先端を行っているこのFGOが、この平成最後にかつてはRPGの王道、オーソドックスとされてきたスタイルに近いゲームを作り出し、今までそのようなタイプのゲームに触れてこなかった人がプレイすることで新鮮さを感じる・・・

なんかこう、まさしく時代が変わってきたっていう感じですね。

それと、若い人には今のままゲームっていう文化を楽しみながら、ファミコンスーファミみたいな今でいうレトロゲーとされてるゲームについても知ってみて欲しいなと思います。僕たちの世代、それよりもっと前の世代の人たちがどんなゲームをどうやって楽しんでいたのかも知ってもらえるといいかなーなんて。
それでもし興味を持ったら是非遊んでみて欲しいですね。つまらなかったり難しかったら投げてもいいので。
今はバーチャルコンソールとか、ミニファミコンとか出てて昔のゲームにも手を出しやすい環境になったことですしね。

 

個人的にドラクエは3!FFは6だな!異論は大いに認める!みんないい作品だからね!!

今月はてダが終わってた件について

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な、なんだって…

Twitterでちょっと長文を載せたくなって、「なんかねーかなー あ、そういやはてながあるじゃん」と思って10年ぶりくらいにログインしてみたらご覧の有様だよ!

インフォシークも終わり、ジオシティーズも終わり、はてダも終わり平成が終わると…

インターネット老人会の会員としてはなかなか思うところがありますな!